宝塚歌劇団の中心とも言うべき「トップスター(主演男役)」と「トップ娘役(主演娘役)」。
1990年以降の全てのトップスターの名前を一覧表にして解説しています。
「あの年のトップスターは誰だっけ?」
「このトップスターはいつまでトップだった?」
こんな疑問を感じることもありますよね。
これを見れば、宝塚歌劇のトップスターの歴史を全て把握することができます。
コンテンツ(目次)
宝塚歌劇団のスターシステムによって決まるトップスター・トップ娘役
宝塚歌劇団では、「男役トップスター」「トップ娘役」という言葉がよく使用されます。
2019年時点でのトップスターは、次のようになっています。
花組
雪組
トップスター:望海 風斗
トップ娘役:真彩 希帆
星組
トップスター:紅ゆずる → 礼真琴(2019年後半から)
トップ娘役:綺咲 愛里 → 舞空瞳(2019年後半から)
宙組
トップスター:真風 涼帆
トップ娘役:星風 まどか
*2019年7月現在
このようなトップスターや娘役トップになるタカラジェンヌは、どのように決まるのでしょうか?
宝塚歌劇が採用しているスターシステムとは?
トップスターになると、各公演で常に主役を演じることになり、全ての脚本はこの「トップスター」を念頭において作られることになります。
トップスターを決める際に重要になるのは、宝塚歌劇団の「スターシステム」と呼ばれるものです。
スターシステムとは、演劇や公演、映画などにおいて重要な役を演じるのがランダムではなく、各組の中のスターと呼ばれる一部の団員のみにするシステムです。
その頂点に立つのが、「トップスター」「トップ娘役」と言います。
スターにとって、スター性や人気、容姿が非常に重要になります。
演技力や表現力がいかに備わっていたとしても、人気のないタカラジェンヌであれば、トップスターやトップ娘役に就くことはできません。
つまり実力だけでなく、人気も同時に備わっていなければなりません。
宝塚劇団に入団した生徒(団員もしくは研究科生徒)の中で有望な者は、トップスター候補生として「スター路線」に乗ります。
宝塚歌劇のスター路線とはなに?
スター路線とは、単純に「路線」と呼ばれることもありますが、将来のトップスターへの道を歩んでいる一部の生徒に対して使われる言葉です。
こうした生徒は、新人公演などにおいて主要な役を与えられるようになっていきます。
ただし、一度「路線」に乗ったとしても、そのまま路線にいられるわけではなく、人気と実力が伴わないと、いつのまにか路線から外れ「脇」へと追いやられることもあります。
絶え間ない努力と精進があって、初めてスター路線に留まることができるようになるわけです。
路線にとどまり続けると、本公演においても、大きな役柄やソロの場面が多くなり、多くの人に認知されていきます。
結果として写真集やブロマイドの売上がさらに伸び、路線の終点である「トップスター」に上り詰めることになります。
「トップスター」や「トップ娘役」になるための条件はなに?
条件として表記されているわけではないものの、トップスターやトップ娘役になるためには、以下のような条件を満たすことが求められます。
トップスター・トップ娘役の条件
- 新人公演での主演とヒロインに抜擢
- バウホールや小劇場で単独公演やヒロイン役、且つ公演成功
- 機関紙の表紙を飾る
- 公式カレンダーに加わる
- 准トップ(2番手)になっている
上記のような条件に適っているタカラジェンヌが、基本的にはトップスター・トップ娘役になります。
ただし、あくまで基本的な条件になるため、人気が非常に高いなどの特別な条件によっては、他の条件を満たさなくてもトップに就任することはあります。
例)黒木瞳、朝海ひかる、仙名彩世といったタカラジェンヌは、上記の条件を満たさずにトップに就任しています。
こうしたプロセスによって、各組の「トップスター」と「トップ娘役」は決定されていきます。
誰がトップスターを決めるのか?
なんとなく、トップスターになるための条件について理解できたかもしれません。
でももう一点疑問が残っていますよね。
それは、だれがトップスターを決めるのかということ。
宝塚歌劇団の団員の投票によって、トップスターは決まるのでしょうか?
そうではありません。
トップスターの決定権は誰にある?
男役・娘役のトップスターを決める「決定権」を持っているのは、裏で宝塚歌劇団を支えている人たちです。
具体的には、次のような方たちが次期トップスターを決定しています。
・理事長
・管理職
宝塚歌劇団の公演には「演出家」がおり、現場においては最高責任者となります。
これに加えて、事務方の最高責任者になる「管理職」「理事」といった方も決定に加わります。
これらの方々が、先ほどの条件を考慮して、次期トップスターを決定します。
なるほど~、現場の意見は演出家の声のみという感じになっているんですね。
そうなると気になるのは、退団のタイミングですよね。
トップスターとして時代を作ったタカラジェンヌは、いつ退団することになるのでしょうか?
男役トップスター・トップ娘役の退団はどうやって決まる?
誰かに、そろそろ引退した方が良いんじゃない??そんな風に言われちゃうの?
でも、退団を決めるのは「本人」みたいだよ。
2019年にも、3人のトップスターが退団することになりました。
- 明日海りお
- 紅ゆずる
- 綺咲愛里
この3人も、誰かに引退するように勧められたわけではなく、自分の意思で退団を決定したという事ですね。。
本人の意思を尊重する、そんな宝塚歌劇団も大好きです。
そして引き際を、しっかりと見定める「トップスター」も素晴らしい!
ではこれから歴代トップスターとトップ娘役の一覧表を紹介していきます。
1990年台のトップスター・トップ娘役一覧表(名前)
年 | 花組 | 月組 | 雪組 | 星組 | 宙組 | |||||
1990 | 大浦みずき | 匠 ひびき | 剣幸 | 姫こだま | 杜 けあき | 鮎 ゆうき | 日向 薫 | 毬藻 えり | ||
大浦みずき | 匠 ひびき | 涼風真世 | 麻乃 佳世 | 杜 けあき | 鮎 ゆうき | 日向 薫 | 毬藻 えり | |||
1991 | 大浦みずき | 匠 ひびき | 涼風真世 | 麻乃 佳世 | 杜 けあき | 鮎 ゆうき | 日向 薫 | 毬藻 えり | ||
安寿ミラ | 森奈みはる | 涼風真世 | 麻乃 佳世 | 杜 けあき | 紫とも | 日向 薫 | 毬藻 えり | |||
1992 | 安寿ミラ | 森奈みはる | 涼風真世 | 麻乃 佳世 | 杜 けあき | 紫とも | 日向 薫 | 毬藻 えり | ||
安寿ミラ | 森奈みはる | 涼風真世 | 麻乃 佳世 | 杜 けあき | 紫とも | 紫苑ゆう | 毬藻 えり | |||
1993 | 安寿ミラ | 森奈みはる | 涼風真世 | 麻乃 佳世 | 杜 けあき | 紫とも | 紫苑ゆう | 白城あやか | ||
安寿ミラ | 森奈みはる | 天海祐希 | 麻乃 佳世 | 一路 真輝 | 紫とも | 紫苑ゆう | 白城あやか | |||
1994 | 安寿ミラ | 森奈みはる | 天海祐希 | 麻乃 佳世 | 一路 真輝 | 紫とも | 紫苑ゆう | 白城あやか | ||
安寿ミラ | 森奈みはる | 天海祐希 | 麻乃 佳世 | 一路 真輝 | 花總まり | 麻路さき | 白城あやか | |||
1995 | 安寿ミラ | 森奈みはる | 天海祐希 | 麻乃 佳世 | 一路 真輝 | 花總まり | 麻路さき | 白城あやか | ||
真矢みき | 純名里沙 | 久世星佳 | 風花舞 | 一路 真輝 | 花總まり | 麻路さき | 白城あやか | |||
1996 | 真矢みき | 純名里沙 | 久世星佳 | 風花舞 | 一路 真輝 | 花總まり | 麻路さき | 白城あやか | ||
真矢みき | 千ほさち | 久世星佳 | 風花舞 | 高嶺ふぶき | 花總まり | 麻路さき | 白城あやか | |||
1997 | 真矢みき | 千ほさち | 久世星佳 | 風花舞 | 高嶺ふぶき | 花總まり | 麻路さき | 白城あやか | ||
真矢みき | 千ほさち | 真琴つばさ | 風花舞 | 轟悠 | 月影瞳 | 麻路さき | 月影瞳 | |||
1998 | 真矢みき | 千ほさち | 真琴つばさ | 風花舞 | 轟悠 | 月影瞳 | 麻路さき | 星奈優里 | 姿月あさと | 花總まり |
愛華みれ | 大鳥れい | 真琴つばさ | 風花舞 | 轟悠 | 月影瞳 | 稔幸 | 星奈優里 | 姿月あさと | 花總まり | |
1999 | 愛華みれ | 大鳥れい | 真琴つばさ | 風花舞 | 轟悠 | 月影瞳 | 稔幸 | 星奈優里 | 姿月あさと | 花總まり |
愛華みれ | 大鳥れい | 真琴つばさ | 檀れい | 轟悠 | 月影瞳 | 稔幸 | 星奈優里 | 姿月あさと | 花總まり |
2000年台のトップスター・トップ娘役一覧表(名前)
年 | 花組 | 月組 | 雪組 | 星組 | 宙組 |
|||||
2000 | 愛華みれ | 大鳥れい | 真琴つばさ | 檀れい | 轟悠 | 月影瞳 | 稔幸 | 星奈優里 | 姿月あさと | 花總まり |
愛華みれ | 大鳥れい | 真琴つばさ | 檀れい | 轟悠 | 月影瞳 | 稔幸 | 星奈優里 | 和央ようか | 花總まり | |
2001 | 愛華みれ | 大鳥れい | 真琴つばさ | 檀れい | 轟悠 | 月影瞳 | 稔幸 | 星奈優里 | 和央ようか | 花總まり |
匠ひびき | 大鳥れい | 紫吹淳 | 映美くらら | 轟悠 | 月影瞳 | 香寿たつき | 渚あき | 和央ようか | 花總まり | |
2002 | 匠ひびき | 大鳥れい | 紫吹淳 | 映美くらら | 轟悠 | 月影瞳 | 香寿たつき | 渚あき | 和央ようか | 花總まり |
春野寿美礼 | 大鳥れい | 紫吹淳 | 映美くらら | 絵麻緒ゆう | 紺野まひる | 香寿たつき | 渚あき | 和央ようか | 花總まり | |
春野寿美礼 | 大鳥れい | 紫吹淳 | 映美くらら | 朝海ひかる | 舞風りら | 香寿たつき | 渚あき | 和央ようか | 花總まり | |
2003 | 春野寿美礼 | 大鳥れい | 紫吹淳 | 映美くらら | 朝海ひかる | 舞風りら | 香寿たつき | 渚あき | 和央ようか | 花總まり |
春野寿美礼 | ふづき美世 | 紫吹淳 | 映美くらら | 朝海ひかる | 舞風りら | 湖月わたる | 渚あき | 和央ようか | 花總まり | |
2004 | 春野寿美礼 | ふづき美世 | 紫吹淳 | 映美くらら | 朝海ひかる | 舞風りら | 湖月わたる | 檀れい | 和央ようか | 花總まり |
春野寿美礼 | ふづき美世 | 彩輝直 | 映美くらら | 朝海ひかる | 舞風りら | 湖月わたる | 檀れい | 和央ようか | 花總まり | |
2005 | 春野寿美礼 | ふづき美世 | 彩輝直 | 固定なし | 朝海ひかる | 舞風りら | 湖月わたる | 檀れい | 和央ようか | 花總まり |
春野寿美礼 | ふづき美世 | 瀬奈じゅん | 彩乃かなみ | 朝海ひかる | 舞風りら | 湖月わたる | 白羽ゆり | 和央ようか | 花總まり | |
2006 | 春野寿美礼 | 桜乃彩音 | 瀬奈じゅん | 彩乃かなみ | 朝海ひかる | 舞風りら | 湖月わたる | 白羽ゆり | 和央ようか | 花總まり |
春野寿美礼 | 桜乃彩音 | 瀬奈じゅん | 彩乃かなみ | 水夏希 | 白羽ゆり | 安蘭けい | 遠野あすか | 貴城けい | 紫城るい | |
2007 | 春野寿美礼 | 桜乃彩音 | 瀬奈じゅん | 彩乃かなみ | 水夏希 | 白羽ゆり | 安蘭けい | 遠野あすか | 貴城けい | 紫城るい |
真飛聖 | 桜乃彩音 | 瀬奈じゅん | 彩乃かなみ | 水夏希 | 白羽ゆり | 安蘭けい | 遠野あすか | 大和悠河 | 陽月華 | |
2008 | 真飛聖 | 桜乃彩音 | 瀬奈じゅん | 彩乃かなみ | 水夏希 | 白羽ゆり | 安蘭けい | 遠野あすか | 大和悠河 | 陽月華 |
真飛聖 | 桜乃彩音 | 瀬奈じゅん | 彩乃かなみ | 水夏希 | 白羽ゆり | 安蘭けい | 遠野あすか | 大和悠河 | 陽月華 | |
2009 | 真飛聖 | 桜乃彩音 | 瀬奈じゅん | 固定なし | 水夏希 | 白羽ゆり | 安蘭けい | 遠野あすか | 大和悠河 | 陽月華 |
真飛聖 | 桜乃彩音 | 霧矢大夢 | 蒼乃夕妃 | 水夏希 | 白羽ゆり | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 大空祐飛 | 野々すみ花 |
2010年台のトップスター・トップ娘役一覧表(名前)
年 | 花組 | 月組 | 雪組 | 星組 | 宙組 |
|||||
2010 | 真飛聖 | 桜乃彩音 | 霧矢大夢 | 蒼乃夕妃 | 水夏希 | 愛原実花 | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 大空祐飛 | 野々すみ花 |
真飛聖 | 蘭乃はな | 霧矢大夢 | 蒼乃夕妃 | 音月桂 | 固定なし | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 大空祐飛 | 野々すみ花 | |
2011 | 真飛聖 | 蘭乃はな | 霧矢大夢 | 蒼乃夕妃 | 音月桂 | 固定なし | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 大空祐飛 | 野々すみ花 |
蘭寿とむ | 蘭乃はな | 霧矢大夢 | 蒼乃夕妃 | 音月桂 | 舞羽美海 | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 大空祐飛 | 野々すみ花 | |
2012 | 蘭寿とむ | 蘭乃はな | 霧矢大夢 | 蒼乃夕妃 | 音月桂 | 舞羽美海 | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 大空祐飛 | 野々すみ花 |
蘭寿とむ | 蘭乃はな | 龍真咲 | 愛希れいか | 壮一帆 | 愛加あゆ | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 凰稀かなめ | 実咲凜音 | |
2013 | 蘭寿とむ | 蘭乃はな | 龍真咲 | 愛希れいか | 壮一帆 | 愛加あゆ | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 凰稀かなめ | 実咲凜音 |
蘭寿とむ | 蘭乃はな | 龍真咲 | 愛希れいか | 壮一帆 | 愛加あゆ | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 凰稀かなめ | 実咲凜音 | |
2014 | 蘭寿とむ | 蘭乃はな | 龍真咲 | 愛希れいか | 壮一帆 | 愛加あゆ | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 凰稀かなめ | 実咲凜音 |
明日海りお | 蘭乃はな | 龍真咲 | 愛希れいか | 早霧せいな | 咲妃みゆ | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 凰稀かなめ | 実咲凜音 | |
2015 | 明日海りお | 花乃まりあ | 龍真咲 | 愛希れいか | 早霧せいな | 咲妃みゆ | 柚希礼音 | 夢咲ねね | 朝夏まなと | 実咲凜音 |
明日海りお | 花乃まりあ | 龍真咲 | 愛希れいか | 早霧せいな | 咲妃みゆ | 北翔海莉 | 妃海風 | 朝夏まなと | 実咲凜音 | |
2016 | 明日海りお | 花乃まりあ | 龍真咲 | 愛希れいか | 早霧せいな | 咲妃みゆ | 北翔海莉 | 妃海風 | 朝夏まなと | 実咲凜音 |
明日海りお | 花乃まりあ | 珠城りょう | 愛希れいか | 早霧せいな | 咲妃みゆ | 紅ゆずる | 綺咲愛里 | 朝夏まなと | 実咲凜音 | |
2017 | 明日海りお | 花乃まりあ | 珠城りょう | 愛希れいか | 早霧せいな | 咲妃みゆ | 紅ゆずる | 綺咲愛里 | 朝夏まなと | 実咲凜音 |
明日海りお | 仙名彩世 | 珠城りょう | 愛希れいか | 望海風斗 | 真彩希帆 | 紅ゆずる | 綺咲愛里 | 真風涼帆 | 星風まどか | |
2018 | 明日海りお | 仙名 | 珠城りょう | 愛希れいか | 望海風斗 | 真彩希帆 | 紅ゆずる | 綺咲愛里 | 真風涼帆 | 星風まどか |
明日海りお | 仙名 | 珠城りょう | 美園さくら | 望海風斗 | 真彩希帆 | 紅ゆずる | 綺咲愛里 | 真風涼帆 | 星風まどか | |
2019 | 明日海りお | 仙名 | 珠城りょう | 美園さくら | 望海風斗 | 真彩希帆 | 紅ゆずる | 綺咲愛里 | 真風涼帆 | 星風まどか |
明日海りお | 華優希 | 珠城りょう | 美園さくら | 望海風斗 | 真彩希帆 | 礼真琴 | 舞空瞳 | 真風涼帆 | 星風まどか | |
2020 | 柚香光 | 華優希 | 珠城りょう | 美園さくら | 望海風斗 | 真彩希帆 | 礼真琴 | 舞空瞳 | 真風涼帆 | 星風まどか |
2019年までの、トップスターとトップ娘役をまとめてみました。
改めて、長期的にスターとして活躍し続けることは大変なんだと実感しました。
長年絶え間なく努力して、2,3年間トップスターとして活躍するというパターンが多いのかもしれませんね。
またトップ娘役の方の中には、研2の段階で抜擢されるような方もいますが、トップスターはそうではないようですね。
引き続き、一覧表を更新していきたいと思います。